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パラケラテリウム。[絶滅動物図鑑]

パラケラテリウム
Paraceratherium

パラケラテリウムの画像
パラケラテリウムの画像2
パラケラテリウムの画像3
科名
ヒラコドン科
その他の名前
インドリコテリウム、バルキテリウム
学名:[Paraceratherium]
分類
哺乳類、奇蹄目、サイ上科
生息地(発見地)
ユーラシア大陸
時代
3600万年前~2400万年前
全長
約9m
体重
15~20トン
食べ物
植物(木の葉、木の枝など)
パラケラテリウムの画像4
絶滅の原因
気候変動と環境の変化がパラケラテリウム絶滅の最大の引き金だと考えられています。

彼らは長い首を使って高い木の葉を食べる「高木食(ブラウザー)」でした。
しかし、気候変動による乾燥化によって豊かな森林が減少し、代わりに草原や低木地帯が広がりました。
これにより、彼らの巨体を維持するために必要な「高い場所にある大量の葉」が確保できなくなったと考えられています。
このような環境になると彼らの最大の特徴である「巨体」が生存に不利な要素となりました。

また、大陸移動に伴う動物の移動によって強力なライバルの出現した事も彼らを追い詰めました。
アフリカ大陸とユーラシア大陸が陸続きになったことで、ゴンフォテリウムなどの原始的なゾウ類がアジアへ流入しました。
ゾウ類は森林を切り開いたり、パラケラテリウムと餌資源を競合したりする存在でした。このような理由により環境適応能力の高いゾウ類との生存競争に敗れた可能性もあります。

他に考えられている理由としてはパラケラテリウムのような巨大な動物はゾウやサイと同様、妊娠期間が非常に長く、一度に産む子供の数も少ないため環境の変化などによって一度、数が減少してしまうと個体数の回復に非常に時間がかかってしまう点もあげられます。

巨大なパラケラテリウムには動物の天敵はほとんどいなかったようですが、環境そのものが最大の敵となった典型的な例だと言えます。
解説
パラケラテリウムは史上最大の哺乳類と目されている動物で、現在、最大の哺乳類とされているアフリカゾウを上回る15トン以上の体重であったとも言われています。また、骨格から立った時の肩までの高さが6m近くもあったとされており、これは背の高い動物として知られているキリンの頭の位置とパラケラテリウムの肩の高さが近いという事になります。

パラケラテリウムは巨大な体に対して頭部が小型であった事で知られており、頭部の大きさは直径約1mであったとされています。また、椎骨の構造から体重を軽くしていたと見られる形跡が見つかっており、強靭な足の筋肉を使って巨体に似合わないような素早い動きを見せていた可能性があります。
パラケラテリウムは高い位置にある木の葉や枝などを食べて生活していたと考えられており、主な生息場所は餌となる木のまばらに生えた草原であったようです。
また、高温で乾燥した地域に住んでいた為、水分や脂肪分などのエネルギーを貯める事ができる体を持っていたと言われています。
メスは一回の出産で一頭しか産む事ができず、この点は現生のサイと共通しており、パラケラテリウムの妊娠期間は約2年であったと考えられています。

尚、パラケラテリウムの記載年は1911年で記載者はフォースタークーパーです。
パラケラテリウムは古生物学者の間では現在では無効な名前となったインドリコテリウムという名前で今も呼ばれる事もあるようです。